経費精算とは|経費の意味・経費精算のやり方 / 業務フロー・効率化の方法を解説!

経費精算とは|経費の意味・経費精算のやり方 / 業務フロー・効率化の方法を解説!

法人 / 個人事業を問わず、ビジネスに必須の業務である経費精算。そもそも経費精算とは?なぜ煩雑?効率化の方法は?疑問のある方は少なくないはず。そんな方に向け、経費の意味から経費精算のやり方 / 業務フロー、インボイス制度の影響、効率化の方法まで、経費精算の基本を解説していきます。

目次
  1. 1. 経費精算とは
    1. 1-1. 経費の意味 / 費用との関係
  2. 2. 勘定科目と経費になるもの / ならないもの
    1. 2-1. 経費・費用に認められるもの
    2. 2-2. 経費・費用と認められないもの
  3. 3. 経費精算のやり方 / 業務フロー
    1. 3-1. 1 経費を立替で支払い
    2. 3-2. 2 領収書・レシート等の証憑を受領
    3. 3-3. 3 ルールにしたがって経費精算書を作成
    4. 3-4. 4 上長・決裁者に提出して承認を得る
    5. 3-5. 5 経理担当者に提出して承認を得る
    6. 3-6. 6 仕訳 / ファイリング / 原本保管
    7. 3-7. 7 立替経費の払い戻し
  4. 4. 仮払経費精算のやり方 / 業務フロー
  5. 5. インボイス制度による経費精算への影響
    1. 5-1. 3万円未満の領収書の特例は廃止
    2. 5-2. 帳簿のみ保存の特例とは
  6. 6. ますます煩雑になる経費精算を効率化するには
    1. 6-1. 経費精算システム
  7. 7. 代表的な経費精算システムを紹介
    1. 7-1. Concur Expense
    2. 7-2. 楽楽精算
    3. 7-3. Money Forwardクラウド経費
  8. 8. 【まとめ】経費精算の概要・業務フロー・効率化の方法を紹介しました

経費精算とは

経費精算とは、交通費、出張費、消耗品購入など、従業員が立替払いした経費を精算して払い戻すプロセス / 業務のこと。または、事前に仮払で受け取った出張費などを、出張後に精算するプロセス / 業務のこと。前者の経費精算を「立替精算」、後者の経費精算を「仮払精算」といいます。

また、一部の例外を除き、経費を精算するには領収書 / レシートなどの証憑が必要。これは、経費精算が「ビジネスに必要な経費」を対象としているからです。

経費の意味 / 費用との関係

そもそも経費とは「経営費用」の略称です。事業 / 会社を運営していくには、地代家賃、人件費などの固定費、仕入れ費用などの変動費が必要。こうした固定費 / 変動費を損金として売上から差し引くことで所得税 / 法人税の金額は決定します。当然、経営費用である経費も損金として計上可能。税金を正しく納めるためにも、経費精算には証憑が必要なのです。

ただし、財務会計には「経費」という言葉がないため、法人の場合、経費を含む固定費 / 変動費は単に「費用」と呼ばれます。費用のすべてを損金に算入できるわけではないため、まったく同じだとはいえませんが、一般的に経費と費用は同じものだと考えてもいいでしょう。

勘定科目と経費になるもの / ならないもの

ビジネスに必要な経費として使ったお金は、使途 / 取引内容に応じて分類し、帳簿に記帳されます。これを仕訳といい、経費の使途 / 取引内容がわかるように「勘定科目」という見出しを付けて管理します。

ただし、ビジネスのために支出したお金が、すべて経費・費用として認められるわけではありません。なぜなら、経費・費用は納めるべき税金に直接関係するから。ビジネスのために支出したお金であっても、税務上、経費・費用として認められない場合もあります。

経費・費用に認められるもの

それでは、どのような支出なら経費・費用として認められるのか?主なものを勘定科目で紹介しておきましょう。

勘定科目

概要

旅費交通費

外回り営業など、業務で必要な交通費のほか、

出張時の交通費、宿泊費、出張手当なども含む

消耗品費

取得価額10万円未満、もしくは法定耐用年数1年未満の備品の購入

接待飲食費

取引先、得意先など、ビジネスに関係する相手を接待するための費用。

日付、参加した人の明記が必要

通信費

電話代、インターネット回線費用など

経費・費用と認められないもの

一方、ビジネスに関連するものであってもプライベートな支出は、経費・費用として認められません。たとえば、職場で着用の義務付けられた作業着は経費になりますが、仕事のためであってもスーツなどの個人用衣服購入費用は経費になりません。

経費精算のやり方 / 業務フロー

経費の意味、費用との関係を理解できたところで、一般的な経費精算のやり方 / 業務フローをおさらいしておきましょう。

1 経費を立替で支払い

交通費や消耗品購入など、経費に該当する費用を従業員が立て替えて支払います。

2 領収書・レシート等の証憑を受領

経費として支出した費用であることを証明するため、領収書・レシート等の証憑を受領します。領収書・レシートに、いつ / どこで / なにに使ったのか記載されていることを確認しておきましょう。

3 ルールにしたがって経費精算書を作成

提出期限を含めた社内ルールにしたがって経費精算書を作成します。経費精算書は1種類で済ませる場合もあれば、交通費精算書、出張旅費精算書など、勘定科目に応じた複数種類を用意する場合もあります。

4 上長・決裁者に提出して承認を得る

作成した経費精算書に領収書・レシートを添付し、上長・決裁者に提出して承認を得ます。しかし、決裁者が複数、留守がちなどの場合、承認を得るまでに時間がかかってしまうことも。承認ルートはできる限りシンプルに、また、決裁者不在時の対応を決めておくことがポイントです。

5 経理担当者に提出して承認を得る

経費精算書・領収書・レシートを経理担当者に提出し、承認を得ます。

6 仕訳 / ファイリング / 原本保管

経理担当者は、提出された経費精算書をもとに経費を仕訳して記帳し、証憑となる領収書・レシートの原本をファイリング・保管します。紙の領収書・レシートは、最低7年間の保管が必要です。

ただし、電子帳簿保存法にしたがって電子保存された証憑であれば、原本を保管する義務はありません。

7 立替経費の払い戻し

従業員の立て替えた経費を払い戻します。手続き完了後の現金手渡しが一般的だった従来と異なり、現在では給与と同時に振り込みというパターンが増えているようです。

仮払経費精算のやり方 / 業務フロー

ここまでは「立替精算」の経費精算方法を紹介してきましたが、「仮払精算」のやり方 / 業務フローについても簡単に紹介しておきましょう。

  • 事前に仮払金の支払いを申請
  • 購入、または出張などで使った経費の領収書・レシートを受領
  • 経費精算書を作成
  • 上長・決裁者に提出して承認を得る
  • 経理担当者に提出して承認を得る
  • 仮払金の精算(超過分を会社に払い戻し、不足分を会社に請求)

仮払精算の場合、事前の申請には「仮払経費申請書」を、支出後の精算書には「仮払経費精算書」を使うことが一般的です。

インボイス制度による経費精算への影響

ビジネスに必須の経費精算ではありますが、従業員にとっても経理担当者にとっても手間のかかる業務であることは間違いありません。さらに、2023年10月に施行されたインボイス制度によって煩雑さが増すのではないか?経費精算への影響に不安を感じている方も多いでしょう。

インボイス制度とは、適格請求書でなければ消費税を控除できなくなる仕組みのこと。当然、経費精算で仕訳する際に「適格請求書」なのかを判別するため「登録番号」を確認し、消費税額の整合性をチェック / 修正しなければなりません。これは経理担当者にとって大きな業務負担となり得ます。

3万円未満の領収書の特例は廃止

また、インボイス制度導入にともない「3万円未満の領収書の特例」も廃止されました。3万円未満の領収書の特例とは、取引相手の名称や取引日時などの決定事項を満たした3万円未満の経費なら、帳簿への記載のみで済む特例のこと。

つまり、インボイス制度開始以降は、3万円以下の経費であっても領収書やレシートなどの証憑が必須。さらに、証憑が揃っていても、適格請求書事業者からの購入でなければ消費税を控除できません。

帳簿のみ保存の特例とは

例外として、3万円未満の公共交通機関、自動販売機などでの支出に関しては「帳簿のみ保存の特例」を認められましたが、タクシー料金などは対象外です。

このため、一部企業では「適格請求書発行事業者」以外のタクシー利用を禁じる、大手小売店以外での備品購入を禁じる、などの措置が取られはじめています。これは、従業員側にとっても大きな負担だといえるでしょう。

参考:国税庁

ますます煩雑になる経費精算を効率化するには

ただでさえ時間と手間のかかる経費精算は、インボイス制度の導入によってますます煩雑化すると考えられます。コア業務とはいえない経費精算を効率化し、生産性向上へつなげるにはどうすべきなのでしょうか?

経費精算システム

ベストだと考えられる方法は、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応する経費精算システムを導入することです。電子帳簿保存法に対応した経費精算システムなら、領収書をスマートフォンのカメラで撮影するだけで、証憑類を電子的に一元管理可能。領収書を紛失してしまった、証憑の整理・分類が大変といった、経費精算にありがちな課題を解決できます。

また、インボイス制度に対応する経費精算システムなら、登録番号のチェックを自動化可能。SaaS型経費精算システムであれば、税制改正への対応はベンダー側で実施してくれるため、ソフトウェアの管理を機にする必要もありません。

代表的な経費精算システムを紹介

それでは、業務効率化 / 生産性向上に役立つおすすめの経費精算システムはなにか?知りたい方に向け、代表的な経費精算システムをいくつか紹介しておきましょう。

経費精算システム

特徴

価格

Concur

Expense

・世界8,600万人が利用するSaaS型経費精算システム

・従業員の経費精算を効率化する使いやすいモバイルアプリ

・管理部門の負担を軽減するBPOサービスも提供

要問い合わせ

楽楽精算

・累計12,000社の導入実績を誇るSaaS型経費精算システム

・既存ルールをそのままシステム化できるカスタマイズ性

・システムの活用定着を促す手厚いサポート体制

初期費用:110,000円〜

月額費用:33,000円〜

※価格はすべて税込み

Money Forward

クラウド経費

・OCR・オペレーターの領収書データ・明細データの入力を自動化

・スマホアプリによるペーパーレス運用

・法人カード連携・振込データ自動作成で経理業務を効率化

初期費用:無料

月額従量料金:550円 / 1名(最低6名から)

オプション料金

中小企業向け:220円 / 1名(電帳法機能、日当機能、法人カード連携、ワークフロー分岐ルール)

IPO準備・中堅〜上場企業向け:440円 / 1名(中小企業向け + 仮払機能、汎用マスタ・カスタム項目)

領収書画像のオペレーター入力:20円 / 1枚

 

※月額従量料金 + オプション料金が総額(年間契約割引あり)

※価格はすべて税込み

Concur Expense

経費精算とは|経費の意味・経費精算のやり方 / 業務フロー・効率化の方法を解説!_1

画像出典:Concur Expense

Concur Expenseのおすすめポイント

  • 世界8,600万人が利用する中堅中小企業向けSaaS型経費精算システム
  • 従業員の経費精算を効率化する使いやすいモバイルアプリ
  • 管理部門の負担を軽減するBPOサービスも提供

Concur Expenseは、株式会社コンカーが提供する中堅・中小企業向けのSaaS型経費精算システムです。電子帳簿保存法に対応したペーパーレス、法人カードやバーコード決済を活用したキャッシュレス、柔軟なワークフローによる承認レスなど、5つのレスで経費精算を効率化。問い合わせやレポート作成を代行するBPOサービスも提供しています。

もちろん、インボイス制度にも対応。使いやすいモバイルアプリも用意され、従業員の経費精算効率化を加速できます。

Concur Expenseの概要・実績・価格感

会社名

株式会社コンカー

主な機能

電子帳簿保存法に対応したペーパーレス経費精算、

法人カード・バーコード決済などを利用したキャッシュレス経費精算、

柔軟な承認ワークフロー、

交通系カード・法人カード明細の自動取り込み

価格感

※税込み

要問い合わせ

導入実績

  • 日清食品ホールディングス株式会社
  • 株式会社ほっかほっか亭
  • ブラザー工業株式会社

楽楽精算

経費精算とは|経費の意味・経費精算のやり方 / 業務フロー・効率化の方法を解説!_2

画像出典:楽楽精算

楽楽精算のおすすめポイント

  • 累計12,000社の導入実績を誇るSaaS型経費精算システム
  • 既存ルールをそのままシステム化できるカスタマイズ性
  • システムの活用定着を促す手厚いサポート体制

楽楽精算は、株式会社ラクスが開発・提供するSaaS型経費精算システムです。モバイルアプリとカメラを活用した電子保存で申請者の手間を削減。振込データ自動取り込み、申請の自動仕訳、ルールに反する申請の自動ブロックで経理の手間を削減。汎用ワークフローで滞りがちな承認フローもスムーズに進められます。

申請項目やレイアウトを自在にカスタマイズできるため、従来のルールを変更することなくシステム化できることもポイント。インボイス制度への対応も万全です。

楽楽精算の概要・実績・価格感

会社名

株式会社ラクス

主な機能

経費精算、

交通費精算、

出張費・旅費精算、

請求書処理、

汎用ワークフロー、

経費・予算管理、

クレジットカード・プリペイドカード連携、

規定違反チェック、

計ソフト連携、

API連携、

スマートフォン対応、

電子帳簿保存法 / インボイス制度対応

価格感

※税込み

初期費用:110,000円〜

月額費用:33,000円

導入実績

  • 井村屋グループ株式会社
  • 株式会社バンダイナムコホールディングス
  • 東洋アルミニウム株式会社

Money Forwardクラウド経費

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画像出典:Money Forwardクラウド経費

Money Forwardクラウド経費のおすすめポイント

  • OCR・オペレーターの領収書データ・明細データの入力を自動化
  • スマホアプリによるペーパーレス運用
  • 法人カード連携・振込データ自動作成で経理業務を効率化

Money Forwardクラウド経費は、株式会社マネーフォワードが開発・提供するSaaS型経費精算システムです。モバイルアプリによる効率的な経費申請、各種データの入力自動化、法人カード連携や振込データ自動作成による経理業務の効率化などを実現。中小企業から上場企業まで、組織規模を問わず経費精算の課題を解決できます。

Money Forwardクラウド経費の概要・実績・価格感

会社名

株式会社マネーフォワード

主な機能

経費明細を自動取得、

領収書画像データの自動取得、

オペレーター入力・OCR入力、

ICカード・経路検索から交通費入力、

モバイルアプリ、

仮払・日当、

不備入力防止、

会計システム・API連携、

汎用ワークフロー、

分析、

法人カード・キャッシュレス決済対応、

電子帳簿保存法対応(プランに応じて対応状況は変動)

価格感

※税込み

初期費用:無料

月額従量料金:550円 / 1名(最低6名から)

 

オプション料金

中小企業向け:220円 / 1名

(電帳法機能、日当機能、法人カード連携、ワークフロー分岐ルール)

 

IPO準備・中堅〜上場企業向け:440円 / 1名

(中小企業向け + 仮払機能、汎用マスタ・カスタム項目)

 

領収書画像のオペレーター入力:22円 / 1枚

 

※月額従量料金 + オプション料金が総額(年間契約割引あり)

導入実績

  • SMBC GMO PAYMENT株式会社
  • ランサーズ株式会社
  • 埼玉ダイハツ販売株式会社

【まとめ】経費精算の概要・業務フロー・効率化の方法を紹介しました

法人 / 個人事業を問わず、ビジネスに必須の業務である経費精算だが、そもそも経費精算とは?なぜ煩雑?効率化の方法は?そんな疑問を持つ方に向け、経費の意味から経費精算のやり方 / 業務フロー、インボイス制度の影響、効率化の方法まで、経費精算の基本を解説してきました。

申請から精算までのプロセスが煩雑になりがちなのは、経費精算が所得税・法人税に大きく関連するからです。しかし、間接業務である経費精算はなるべく簡素化したいもの。そのためのソリューションが経費精算システムなのです。